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2018.02.01
「liquid」

「上善水の如し」という老子の言葉があります。最高の善というのは水のようなもので、万物に利益を与えながらも、他と争わず器に従って形を変え、自らは低い位置に身を置くという水の性質を、理想の人生に例えた言葉だそうです。この思想のとおりに生きるのは、実際には難しいことが多々あると思います。でも、大きなヒントが隠された言葉だとも思います。

音楽の表現に於いても、水のように変幻自在であれたらいいな、という思いはいつもあります。一つの方法、一つのスタイルに拘って、それを磨き上げて更に高見を目指していくというスタンスは、ミュージシャンにとって本来正しいことだし美しいことです。でも、どうやら僕はそういうことが苦手なようです。ステージではアコースティックギターを片手に気楽に歌うことが好きだし、音楽制作に於いては、PC自体が一つの楽器のような感覚で、その孤独の中でジャンルやスタイルの壁を越え、自由気ままに緻密に積み上げていく作業が好きです。無理矢理ですがジャンル化するとしたら「電子音楽の方法論や技術を利用したフリーフォームな音楽=エレクトロニカ」というのが一番近いかもです。でも、やっぱり自分の音を既成のジャンルに当てはめるのには無理がある。根底にあるのはロックですから。アンビエント的な陶酔や恍惚感だけではなく、自分自身の中での新鮮で斬新な驚きをいつも求めてしまうのです。

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